・3つの法則、9つの原則、26のスキルで「モチベーション・マネジメント」を行う方法の紹介
1)「希望の法則」・・・3つの「うまくやれそうだ」・・・これが無いと「無気力」になる。
(1)頑張れば上手くいく
(2)十分にやれそうだ
(3)何をどうすればいいかわかる
2)「充実の法則」
(4)おもしろい、確実に成長している
(5)自分で決めたことだから頑張る
(6)期待されている
3)「関係の法則」
(7)安心できる
(8)関心を持たれている
(9)一体感がある
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1)「希望の法則」・・・3つの「うまくやれそうだ」・・・これが無いと「無気力」になる。
原理(1)頑張れば上手くいく
・技術1「明確なフィードバック」を繰り返す
*フィードバックを与えるタイミングを間違わない・・・「その時、その場」で、一言でもいいから。
*フィードバックのレベルに明確な段階をつける・・・頑張ったら、それなりに。
*言葉で明示的に行う
・技術2「フィードバックのTPO」を考える
*声のトーン
*態度
*場所
原理(2)十分にやれそうだ
・技術3「達成可能な到達目標を設定する」
*目標の水準・・・不可能な目標はかえってやる気を削ぐ、あきらめを誘う
*目標の達成状況をはかるメジャー(評価基準)も注意する
*目標見達者にこそ、フィードバックを早め、早めに必要
*不満は不満で全てを吐き出させる。すると不満ばかり言っている自分がいやになる。そして、その反動で建設的な行動にでる。これをカール・ロジャースが「指示しないカウンセリング」として「人は受容してもらうと、本当にしたいことに行き当たる
*
・技術4「下位目標の設定を工夫する」
*大きな目標に対しては適切なマイルストーンが必要
*本人にマイルストーンを決めさせる
*必要に応じてアドバイスを与える
*適宜、マイルストーン達成度を調べる
*優先度が同じなら、成功する確率が高いものからやらせる
・技術5「気が楽に持てるように原因を解釈する」
*プロジェクトが失敗しても「自分に能力が無いせいだ」とは決して思わないこと
*「努力不足」も、きつい
*手ごろな理由としては「戦略がまずかった」。
*とりあえず、「運が無かった」と思う ⇒ ダメージが消えたら、本格的に失敗した原因調査にとりかかる。
*真面目で几帳面で繊細なメンバーは、こちらが思っている以上に心理的ダメージを受けている
*ここにこそ、あなたの出番がある。⇒ストレスや不安のコントロールを手助けし、働きかけてあげる。
*能力不足という思い込み⇒自信喪失⇒意欲低下・・・このサイクルを断ち切ってあげる
*失敗は「方策」が間違っていたということに気づかせる。(他の人も同様にしている、と言ってあげる。)
原理(3)何をどうすればいいかわかる
*「頑張ろう」という意識が有っても「どう頑張ればいいか」を知らない人が多い。
*「どう頑張ったらいいか」を教えてあげる。
*「やる気」を空回りさせない
*自分の採っている仕事の進め方や戦略についてしっかりとした自覚を持っているか確認する
*正しい選択をしているかをチェックしてあげる
*メンバーが困っていないかを確認する
*「何をどうすればいいか分かっている」という手段保有感を高め、効果的な仕事の進め方や戦略について自信を持てるようにする。
・技術6「手本」を目に見えるかたちで示す
*まずは自分がやってみせる
*「言葉」だけでなく「見せる」教育を意識的にやる
*ただ漠然と眺めさせているだけではだめ。まず「こうすると良い」という行動のパターンを明確に示してみせる
*また「こうすると、こんな効果がある」といった行動の結果までを必ずセットで見せる。
*例えば同行させた時に治験責任医師と交渉を行ったという「行動のパターン」と、その結果として相手のこういう反応をひきだしていたという「行動の結果」について、同行から帰ってきた時にまとめさせると良い。
*プレゼンテーションについては、話すのが上手な人はどのような工夫をしているかという「行動のパターン」と、その結果、聞き手にどんな印象を持たせたかという「行動の結果」の二つについて、ミーティング形式で話あわせるのも教育研修方法として有効
・技術7「自分が使っている方略を自覚させる」
*「自分はどこでつまずいているか」「いったいどこに問題があるのか」という質問に対して、すぎに答えられるか?
*「自分はどこがわかっていないのか自分でもわからない」
*せっかくノウハウを伝授しても、自分でうまくいったかどうかを把握できないと効を奏さない。
*うまく行っている人も「どうしてうまく行っているか」が分からないと、さらに良くしたり、次回に生かせない。
*自分の仕事を認識しながらやらせる「今のプロジェクトはその方法でうまくいくのか?」や「つまずいているとしたら、どこに問題があるかを自覚できているか?」という質問が有効
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2)「充実の法則」
原理(4)おもしろい、確実に成長している
原理(5)自分で決めたことだから頑張る
原理(6)期待されている
・いくら「上手くやれそうだ」と希望が持てても、それによって手にできるものが自分にとって魅力的でないと、人は頑張らない
・逆に、到達のへの道のりがイバラの道でも、目標が魅力的なものであれば、人は困難にめげず、やる気になる。
・目標の魅力(インセンティブ)は、第一の法則の「希望」とは異なるコンポーネントである。
・「やる気」は「希望」と「インセンティブ」との掛け算である
・金銭やポストだけがインセンティブではない
・では、どうするか? 金銭やポストという「外発的モチベーション」ではなく、「内発的モチベーション」のメカニズムに訴える
・「内的モチベーション」を刺激するためには「内的インセンティブ」があればいい
・「内的インセンティブ」⇒「おもしろい仕事」「成長している実感」「自分で自分の人生を決定しているという感覚」「かけがないのない存在として他人から期待されている感覚」
原理(4)おもしろい、確実に成長してい
・「内的モチベーション」は知的好奇心から生まれる
・人はすでによく知っていること、わかりきっていることに惹かれない(全く手がかりが無いのもまた惹かれない)
・知的好奇心は単におもしろがるというだけでなく、おもしろがるうちに、その人を有能にする
・「成長を実感する」ということが強力な内的インセンティブとして機能する理由も、同様に考えることができる
・「成長を実感する」とは、自分にとってできることが増えたこと、周囲に及ぼす影響力を拡大し、有能になったと確認することだ
・リーダー(先輩)は、チームのメンバーに仕事の中に面白みを発見させ、本人が成長を実感できるよう導くことが大切
・技術8「おもしろみを発見させる」
*退屈を感じながら無理に仕事を片付けようとする時、人はどうしても集中力が上がらず、いたずらにダラダラと時間ばかり経過して、そのあげくミスも多くなってしまう
*それゆえ、リーダーは後輩を退屈させてはいけない
*リーダーは部下の「安全地帯」になること
*「新しく挑戦したいことや改善したいと思うアイディアがあれば、いつでも提案してください。」という言葉かけ
*「何故、それはうまくいかなかったのか?」という問いかけを行う
*リーダーも一緒に考える
*部下も退屈だと思っていた仕事に「おもしろさ」を見出すだろう
*また、本人が「単純作業」と思っていても、リーダーが、その仕事の意義を教えるだけでも違う(鉱山で「ただ単に穴を掘っているだけ」と思わせるか「金を探している」と思わせるかで、パフォーマンスが確実に違う。
・技術9「成長が実感できるような目標を設定させる」
*到達目標は「少し努力したり工夫したりすればなんとか手の届く高さ」に設定するのが基本
*目標の引き上げは当人と相談のうえ、納得ずくで行うこと
*目標の達成と、そのために必要な成長が可能だということをお互いに確認する
*そのための工夫なり、勉強なりが効果的で成長に繋がることを確認する
*第二に質的な側面での目標の変更も考える(モニタリングからプロジェクト管理など)
*いつもいつも挑戦ばかりでは、それはそれで疲れる
*ときには、ある地位に留まり、安定した状態で過ごすことも必要。
*そこで余力が持てた頃合を見計らって、また次の段階へと進ませる
*その意味でもメンバー一人ひとりの様子を把握することが必要
・技術10「Being目標」と「Become目標」の両方を持たせる
*「こうありたい(Being目標)」か「こうなりたい(Become目標)」か。
*どちらもバランスよく持っていること
*この2種類の目標は、人間を意欲的に突き動かすための「両輪」である。
*「Being目標」が欠如していると、充実感が得られない
*「Become目標」が欠如していると、何を目指して仕事を進めていけばよいか分からず、強い不安と自信喪失になる。
*リーダーは、部下に常に二つの目標を意識させること。
*「Become目標」達成の延長線上に「Being目標」が待っている!
原理(5)自分で決めたことだから頑張る
・メンバーをチームでの重要な意思決定に参画させ、自分はどうしたいかをはっきりと主張させて、それを可能な限り、尊重し、許容するといったアプローチが大切
・自分で決めたことだから、その結果にも責任を感じる。だから頑張る⇒というように、これがポジティブに働くはず
・技術11「意思決定に参画させる」
*「仕事はやらされるもの」という意識が強いと、伸びない
*きみの運命を決めているのはきみ自身なのだ、というメッセージを発信する
*上意下達(じょういかたつ)ばかりだと⇒ 「全ては上が決める」「どうせ自分は何を言っても変わりはしない」「全ては上が決めるのだ」という態度になりやすい
*チームの意思決定にメンバーを存分に参画させる。⇒自分も決定に参加したとなれば、責任も感じるだろうし、うまく行けば誇りに思うだろう。
*最初はアイディアを求めても、いいアイディアが出てこないかもしれない。だからと言って、そこに思い切って踏み込まないと、いつまでたってもメンバーはいいアイディアを出せるようにならない。
*これまで、重要な意思決定を託され、そこに結びつくようなアイディアを求められるような機会が無かったから、そういう思考をしてこなかっただけ。
*機会を与え、時間をかけてメンバーを育てる必要がある。
・技術12「積極的になっている部下を下手に誉めない」
*下手な誉め方は、部下のやる気を大きく損なう場合があるので、要注意
*自分としては自分のやりがいや自己成長のために頑張っているのに、リーダーから「頑張ってるな」と言われると、がっかりする場合がある。
*何かに熱中してやっている時は「自分の意志で、自分のために、報酬ではなく、仕事内容に興味を持って取り組み続けたい」と、無意識に考えていることもある。
*そんな時に報酬が出ると、かえって、テンションが下がることがある。
*プロジェクトが終わり、その人の功労が大きな成果を出した時に初めて、リーダーは大いにその人を賞賛する
・技術13「思い込みでも、元気のいい時はそのままに」
*勘違いしながらも「元気がいい」=「ポジティブイリュージョン」と呼ばれている
*心理学の世界では、この勘違いこそが、心の健康度だけでなく、体の健康度も極めて高いということが、今や常識
*たとえ事務的で単純なアシスタント業務をしているだけでも「自分は重要な任務を任されている」という幻想を抱く人ができる人は、その仕事への熱意を維持できる。
*どうしたらポジティブイリュージョンを抱くことができるか? ⇒ とんかく「自己決定」させることに尽きる
*リクルート社でマネジャーがメンバーに最も多頻度で用いるフレーズは「で、おまえはどうしたいわけ?」
原理6「期待されている」
・かけがえのない存在として期待され、頼りにされているという状態、しかも、それがプレッシャーとして機能せず、その期待を受け止めるかどうかも本人次第となれば、むしろ、著しくやる気は高められる。
⇒ 何故なら、期待に応えることによって相手を喜ばせることができるからだ。
⇒ つまり、自分の力の及ぶ範囲がいっそう広がったことを確認できるから(「知的好奇心」のメカニズムにも通じる。しかも、そうするかどうかを決めるのは自分である(「自己決定」に繋がる)
・「期待されている」ということは、自分にそれだけの能力があると他者が判断してくれているというメッセージになる。
⇒これもまた、自らの有能さへの自信を深め、やる気に対してポジティブに働く。
・技術14「人より優れていると思わせる」
*自分が人より優れていると思える時には自己愛が満たされているし、逆にそのように感じられない時、また人より劣っていると感じてしまう時には自己愛が傷つく
*自己愛の欲求は満たされたからといって、そこでテンションが下がるというものではない
*自己愛が満たされている時のほうが自信がついて、意欲が高まる。そして、さらに自己愛が満たされるようにと頑張る
*自己愛が傷ついている時は、多くの場合、自信を無くし、意欲が失われていることが多い
*リーダーは、部下の優秀な点を敏感に察知し、それを認めることで、本人に「自分は優秀だ」と分からせ、そう感じさせないといけない
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